妙見温泉ねむ 宿泊記 炭酸泉でデトックス、川のせせらぎに包まれた温泉旅館

鹿児島といえば、温泉!!

 

…という方も、多いのではないでしょうか。

 

鹿児島旅行の最終日は、妙見温泉にある妙見温泉ねむに宿泊しました。


山間部の秘湯のようなイメージがある妙見温泉ですが、実際は鹿児島空港から自家用車で15分、バスで30分ほどのアクセスしやすい温泉街です。

 

 

妙見温泉には、昔ながらの安価な湯治宿から1泊数万円もする高級宿まで、小さな温泉街なのに様々な宿が点在しています。


旅館ねむは口コミ通りの素晴らしいホスピタリティで、宿の方の接客や食事・温泉の泉質まで文句なしの素晴らしい温泉旅館でした♪

 

 

 

【アクセス】鹿児島空港から妙見路線バスで25分

 

なんとなく山奥の秘境感がある妙見温泉。が、実際は鹿児島空港から約10㎞、車だと15分ほどの距離です。

 

 

また、鹿児島交通の妙見路線バスが1日に数本出ています。

 

こちらは空港から嘉例川駅・日之出温泉・妙見温泉・鹿児島神宮などの観光地を結んでいるので、車のない観光客には便利です。

 

 

私は嘉例川駅から乗車。嘉例川駅は明治時代開業の駅舎で、鹿児島県内で最も古い築100年以上の駅舎が有名です。

 

 

▼前回記事▼肥薩線で行く嘉例川駅 編

 

バスは山道をのんびりと進みます。この日は平日で、乗客は私を含めて2名。

 

沿道には、ひたすら豊かな山林が広がります。途中で渓流と並走したり、対岸に大きな温泉旅館があったりと飽きません。

 

 

嘉例川駅から約20分、空港からだと25分ほどで妙見温泉街に到着です。

 

いわさきコーポレーションの公式ページからバスの時刻表と、各旅館ごとの最寄りの停留所が記載されたpdfを閲覧できます。

 

 

温泉街にお店はかなり少ないです。老舗のお店が多いですが、新しめなカフェもあったりしました。

 

旅館ねむへチェックイン!

妙見温泉ねむの最寄りのバス停は、ズバリ妙見温泉停です。降りたら目の前が旅館なので、雨の日でも安心です。

 

 

さて、チェックインは15:00から。さっそく旅館に入りましょう!

 

 

館内に入ると、オシャレなロビーが広がっていて、優しいスタッフさんに笑顔で出迎えられます。

 


チェックインの際に、夕食・朝食の時間を選択します。部屋のキーを受け取ったのち、お部屋まで案内していただきます。

 

 

【館内】2019年にリノベーションしたばかりの新装旅館

 

実はこの妙見温泉ねむ、元々は妙見ホテルという老舗旅館だったのをリノベーション。

 

2019年にオープンしたばかりの、妙見温泉の中で最も新しい旅館です。

 

 

建物の構造は古さを感じさせますが、ピカピカに改装されています。所々に配置してある小物もオシャレ。

 

 

先ほどのロビーは2階。客室と大浴場は1階にあります。

 

 

廊下に飲み物の自動販売機があります。お酒の自動販売機もあったのですが、故障中とのことで残念。

 

 

 

【お部屋☆3.5】川のせせらぎが聞こえる、渓流沿いの8畳間

 

お部屋はこちら。予約時に最安価だった8畳間で、ひとり旅には申し分ない広さ。

 

 

備品は、お茶セットに無料のミネラルウォーター、電気ケトル。

 


中身が空の冷蔵庫に、金庫。近くにお店が少ないので、持込の飲食物が冷やせてありがたいです。

 

 

窓辺には洗面台と椅子。そして目の前には中津川が流れています。窓を開けると…。

 

 

見てください、この美しい川!!

 

 

旅館の脇にかかっている妙見大橋も間近です。紅葉の名残があって、とても綺麗。

 

なにより、川の透明度が素晴らしい

 

 

窓を閉めていても、川のせせらぎが心地よく聴こえてきます。

 

ただ、妙見温泉は川沿いに旅館が立ち慣れんでいる関係で、向かいの旅館から丸見え。

 

 

なので気になる方は、カーテンは閉めておくことをおすすめします。

 

 

山奥で気になるのは電波状況ですが、部屋のWi-Fiは快適に接続できます。動画の視聴も問題ありませんでした。

 

出張やワーケーションで泊まる方にも、安心ですね。

 

 

【温泉☆4.5】熱交換システムを使用した、新鮮な炭酸泉

 

荷物を放り出して、さっそく大浴場へ向かいました。大浴場は2つあり、男女時間入れ替え制です。

 

岩風呂・・・妙見温泉最大の浴槽

まずは岩風呂へ。脱衣所を出たら、鯉の泳ぐ小さな橋を渡ってお風呂へ向かいます。

 

 

運よく貸切でした。浴槽の扉を開けると、濛々と湯気が立ち込める中に大きな浴槽が。

 

 

実はこの岩風呂は妙見温泉で最も大きい浴槽なのです。

お湯は薄い乳白色で、泉質は炭酸水素塩泉。湯温もちょうどいいです。

 

肌へ浸透してくるような独特のお湯で、じんわりと体の中心が温まってきます。

窓越しに先ほど部屋からも見えた中津川のせせらぎが聴こえてきて、最高!

 

 

もともと全12室の小さな宿ですが、日帰り入浴でも人気があるそうです。

 

昼食と入浴がセットになった日帰りプランもあって、週末などは賑わいそうですが、これだけ広ければそうそう混雑することはないでしょう。

 

 

浴室の石は木曽御影石檜風呂もあってなんとも贅沢です。

 

個人的に気に入ったのが、この壺湯。蛇口からジャージャー注がれる豊富な温泉を、全て独り占めできます。

 

 

どの浴槽もとにかく湯量が豊富で、こんなに流していて大丈夫だろうか、と心配になるほどです(笑)

 

開放的な大きな窓から吹き込んでくる、新鮮な空気。

窓の向こうには中津川のせせらぎに、少し紅葉を残す霧島の山々。

 

後述のシャワー問題がなければ、文句なしの100点満点です。

 

  • 男湯】10:00~12:00・16:00~20:00
  • 女湯】12:00~16:00・20:00~24:00

 

黄金湯・・・開放的な露天風呂

もう一つの大浴場の黄金湯。男湯に切り替わるのは20時からなので、就寝前に向かいました。

 

先客がいらっしゃったので、写真は楽天トラベルから引用。

 

引用元: 妙見温泉 ねむ 写真・動画【楽天トラベル】

 

この旅館の温泉は新型の熱交換システムを使用していて、源泉に加水することなく短時間で適温にして供給しています。

 

加水すると温泉成分が薄まってしまうので、これは画期的なシステムです。

 

またこちらには、岩風呂にはない露天風呂があり、雄大な景色を眺めながらのんびりお湯を楽しめます。

 

引用: 妙見温泉 ねむ 写真・動画【楽天トラベル】

 

充実しすぎていて、もう何も言うことはアリマセン状態。満足したところで、さて髪を洗おう。と、ここで問題が…。

 

なんか、シャワーの水圧が低いんですけど…

 

たまたまこのシャワーヘッドが故障しているのではと思い、他のも試してみましたが、全て一緒でした。

 

冗談じゃなく、髪を洗うのに普段の3倍ほどの時間がかかりました。岩風呂のシャワーは普通だったのに…。

 

宿を訪れたのは昨年11月。この時はたまたま水圧関係の故障があっただけで、現在は復旧している...と信じています(>_<)

 

  • 男湯12:00~16:00・20:00~24:00
  • 女湯10:00~12:00・16:00~20:00
 

家族湯・・・優しいぬる湯を独り占め

温泉に大満足し、何も言う事はアリマセン状態で脱衣所を出ると、隣の暖簾に気になる文字が。

 

 

貸し切り制の「家族湯」


なんと、この贅沢な温泉を独り占めできると言うのですか!そんな事しちゃっていいんですか!


こちらは予約制でなく、空いていれば自由に入浴できます。歓喜しつつ、翌朝に突撃してみました。


だいぶ年季の入った浴槽ですが、しっかり手入れされています。家族湯だからと妥協することなく、轟々と注がれる新鮮な温泉

 

この浴槽はぬる湯なので、長くじっくりと浸かりたい方にはピッタリです。

 

 

【食事4.5】広々した食事処でいただく、霧島の幸

【夕食5.0】彩りも楽しい、バラエティー豊富な夕食

さて、待ちに待った夕食の時間です。2階にある食事処でいただきます。

 

座席はひろびろ。他の席とは仕切りで区切られていて、個室のような安心感です。お茶とお水はセルフサービス。

 

 

さっそく前菜が運ばれてきました。メニューの紙はなく、スタッフさんが口頭で説明してくださります。

 

飲み物は、せっかくの鹿児島旅行なので地酒の焼酎「万膳」をチョイス。

 

 

左のお皿にある霧島サーモンが絶品でした。右のお皿には鹿児島名物のブリとカツオ。

 

地のものをしっかりメニューに組み込んでくれるのが、嬉しいです。

 

焼酎セットが運ばれてきたので、最初はロックで、続いて水割りでいただきます。辛口ながらコクがあって、美味しい。

 

 

少しづつ料理が運ばれてきます。配膳スピードも、こちらの食事ペースに合わせてくださって快適です。

 

写真中央の海老と野菜は、サッパリとした酢の味が利いていて美味。

 

口直しは、お茶処の鹿児島らしく茶蕎麦。温泉卵との組み合わせが、グッド。

 

続いて焼き物が運ばれてきました。

 

 

なんて鮮やかな盛り付けでしょう。

 

旅館の焼き物は大味であることが多いのですが、こちらは味付けもサッパリしていて、全く食べ飽きません。美味しい…。

 

 

メインは薩摩牛のしゃぶしゃぶ。野菜に火が入った頃合いを見極めて、さっと湯に通します。

柔らかいお肉に、牛肉の旨みが染み出してきて美味しい。サッパリした出汁とも相性抜群。

 

これはご飯にあうぞ!と思ったら、まるでテレパシーでも届いたかのようにスタッフさんがご飯セットを持って登場(笑)

 

 

ご飯は白米と十六穀米から選べます。お椀はなめこ汁。デザートの梨のジュレ(だったかな?)も、美味でした。

 

 

けっこうなボリュームの食事でしたが、味のバランスが取れていて全く食べ飽きない。

 

霧島サーモンや薩摩牛、錦江湾で水揚げされたであろう海の魚や鹿児島の名産であるお茶を使った蕎麦など、地のものを絶妙に盛り込んだメニュー。

 

味が美味しいのは無論、彩りもよく目でも楽しめる、今まで宿泊した旅館の中では最高ランクの夕食でした。

 

【朝食4.0】シンプルなワンプレート。薩摩揚げが嬉しい

朝食も、夕食と同じ会場でいただきます。ワンプレートにまとまっており、着席して数分でスタッフさんが持ってきてくださいました。

 

 

窓に映る川沿いの景色を眺めながら、いただきます。

 

シンプルながら一品一品の味がしっかりしていて、美味しい。素材の味を生かした薄めの味付けが、朝の体には優しい。

 

 

卵の黄身の下には、シラスが入っていました。箸で和えていただきます。

 

そして特筆すべきは薩摩揚げ。そういえば、鹿児島に来たのにまだ薩摩揚げを食べていませんでした。これは嬉しい。

 

ご飯をいただいた後は、部屋でごろごろしたり、朝風呂に入ったりしてまったり。

 

チェックアウトは10:00。名残惜しさを残しながら、宿を後にしました。

 

 

【周辺観光】徒歩圏内に熊襲伝説の岩屋など多数

 

妙見温泉の近くにはこれといった有名な観光地はないのですが、宿から2キロほどの距離に犬飼滝と和気神社があります。

 

 

旅館の近くを散策してみました。まずは歩いて10秒の所にかかる妙見大橋。鉄組みが美しい橋で、眺めも絶景でした。

 

 

橋を戻ると、歩いて数分のところに大釈天宮という紫の鳥居が特徴的な神社があります。工事中だったらしく、境内には入れませんでした。

 

 

さらに5分ほど歩くと、熊襲穴という不思議スポットがあります。

 

ヤマトタケルの遠征伝説に縁のある場所で、かつて熊襲の民が潜んでいた岩屋だと云われています。

 

 

岩屋の中には、妙見温泉に滞在していた芸術家が描いたという不思議なアートが。

 

麓から岩屋入り口まではかなりの階段を登りますので、覚悟してから登りましょう。

 

 

【おすすめ度4.5】温泉も料理も満点、紅葉の時期は最高のロケーション

 

1泊だけの滞在でしたが、温泉も料理も堪能できました。スタッフさんも常に笑顔で対応してくださり、とても親切です。

 

熱交換システムを使用したフレッシュな温泉は、この温泉に入るために飛行機で来る価値があると言い切れるほど絶品でした。

 

 

ゆったりした食事処でいただくお食事は、味付け・彩り共に最高ランク。スタッフさんの配膳のペースも適切で、何にも気兼ねすることなく楽しめました。

 

私が泊まった日の宿泊料金は1泊2日、2食付で税込み15,400円。全体的に高めな妙見温泉街では安いほうで、コストパフォーマンスはかなりいいです。

 

周囲は山と川に囲まれていて、紅葉のシーズンは最高のロケーションであること間違いなしです。

 

 

帰りの飛行機、翼の下に広がる山森を眺めながら「ああ、妙見温泉はあの辺かな…いやこっちかな…」と、探している自分がいました。

 

 

…鹿児島に来て、よかった。

 

遠ざかる霧島の山々を背中に、そう思うのでした。