バスの時間までの暇つぶしにピッタリ、妙見温泉の個性的なスポット
前回、妙見温泉から往復5kmの道のりを歩いて犬飼滝と和気神社を訪問しました。
その後は、まだバスの時間まで余裕があったので、妙見温泉エリアを散策してみました。
徒歩で周れるエリアには紫色の鳥居が特徴の大釈天宮と、ヤマトタケル伝説に縁のある熊襲穴があります。
どちらも他の観光地では見られない個性豊かな場所でした。ちょっと不思議な探訪記です。
絶景!天降川にかかる2つの橋
斎藤茂吉由来、くすしき国の虹のつり橋
妙見温泉は、天降川沿いに旅館や商店が広がる温泉地です。
この天降川は驚くほど水面が透き通っていて、周辺の豊かな山林とのコントラストが美しい川です。
温泉街の中ほどにかかるのが、くすしき国の虹のつり橋です。
元々は木製の橋だったのですが、2018年に鉄骨製にリニューアルされました。
歩行者専用なので、橋の上からのんびり川面を眺められます。
傍らに、この橋の名前の由来になった斎藤茂吉先生の文学碑が。
日当山 妙見 安楽 塩浸
湯は湧きいでて くすしき国ぞ
「くすしき」というのは、神秘的とか不思議という意味です。
この辺りは、今でこそ鹿児島空港から容易にアクセスできますが、その昔は相当な山奥の秘境だったのでしょう。
「くすしき国」――。妙見温泉にピッタリなネーミングです。
車両も通行可能な妙見大橋
つり橋の南にあるのが、妙見大橋。
こちらは車両の通行が可能なので、車で対岸を行き来する場合はこの橋を渡ることになります。
橋の周囲は豊かな木々に囲まれていて、紅葉の時期には絶好のフォトスポットになるでしょう。
この橋を渡ると和気湯・犬飼滝・和気神社方面への登山道にアクセスできます。
温泉街から2.2kmほどの距離がありますが、1時間強ほどで往復可能なので、体力に自信のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
謎多き神社・大釈天宮
妙見大橋のすぐ南に、大釈天宮という神社への入り口があります。
人気の全くない斜面を数分ほど登っていくと、神社に到着です。
この神社、何がすごいかと言うと鳥居が鮮やかな紫色なのです。
参拝しようと思ったのですが、鳥居にロープが張られていて、境内には入れませんでした。
工事中なのか、他に理由があるのか…。
ちなみにこの大釈天宮、ご祭神や由緒のが案内板が一切なく、調べても出てきません。
インターネット上では隠れたパワースポットとして紹介されていたりもするのですが、その由来も不明です。
謎多き大釈天宮。なにか情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひお知らせください。
ヤマトタケル伝説の地・熊襲穴
大釈天宮の北に5分ほど歩くと、ヤマトタケル伝説の史跡・熊襲穴入り口があります。
大きな案内板があるので、すぐに分かりました。
駐車場から、急な階段を登ります。軽い登山なので、それなりの覚悟を(笑)
途中に休憩所があります。しばし小休止。
足元はあまり良くないので、晴れた日の訪問をおすすめします。
麓から200mとはいえ、なかなか疲れます。入り口まではあと少し。
ようやく目的地に着きました。なんとなく異郷感があります。
この熊襲穴は、大昔にこの地にいた熊襲族が居住していた洞窟だと云われています。
熊襲族の首領の一人に、川上梟師(カワカミタケル)がいました。
ある時、川上梟師が親族を集めて大宴会を催しました。日本武尊(ヤマトタケル)は髪をといて童女の姿に変装し、宴に潜入。
皆が酔った隙を見計らって、隠し持っていた剣を川上梟師の胸に突き刺しました。
これが日本神話、ヤマトタケルの熊襲征伐伝説です。
この鳥居の向こうが入り口です。かなり狭いので、屈んで入る必要があります。
ところで、入り口脇には気になる文面が…。
道上徳二 六十二才
誰ですか!?
…それはともかく(笑)、洞窟の中は、こんな感じです。入り口に電燈のスイッチがあるので、オンにしてから入ります。
こちらのアートは、妙見温泉に滞在していたアーティストが描いたそうです。
外部の音が一切聞こえず、まるで異世界に迷い込んだかのようです。
古の伝説が残る熊襲穴。現代アートとの融合が体感できる、不思議なスポットです。
【まとめ】雄大な霧島の山林に囲まれた、山奥の秘境
妙見温泉は、天降川沿いに旅館や商店が点在するこじんまりとした温泉街です。
有名な観光地があるわけではないのですが、温泉街から徒歩で行ける範囲にある熊襲穴は、古代史や日本史のマニアには必見のスポットです。
今回ご紹介したスポットは、いずれも温泉街から徒歩圏内。
妙見温泉と鹿児島空港・隼人駅をつなぐ妙見路線バスは2~3時間に1本しかないので、待ち時間を潰すにはピッタリです。
空港から20分ほどでアクセス可能な山奥の秘境・妙見温泉。
雄大な霧島の山林に囲まれて、日々の疲れを癒されてはいかがでしょうか??